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5月の和菓子
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「唐衣(からころも)」
かきつばたを模したお菓子。
学校で必ず習う『伊勢物語』から生まれました。
平安時代(794〜1185)、
和歌を中心に構成された全125段の物語。
「昔、男ありけり」で始まる9段は有名です。
「おれはもう必要とされていないんだ〜」
と思い込んだ主人公が、
居場所を東方へ求めた旅の途中。
沢に咲くかきつばたがあり、
句頭が「か、き、つ、ば、た」となる
折句(おりく)を詠むことに。
唐衣
着つつなれにし
つましあれば
はるばる来ぬる
旅をしぞ思ふ
「着ているうちになじんだ唐衣のような妻を
京に置いたままこんなに遠くに来ちゃったよ〜」 とさびしさを詠み上げています。つまは褄にもかけているとか?
奥さんがかきつばたに似ていたのでしょうか。 それとも好んだ花なのか、夫婦にかきつばたの思い出があったのか。 人の心は昔も今もあまり変わらないようですね。
和菓子/美豆伎庵 金巻屋
住所 : 〒951-8063 新潟市中央区古町通3-650
HPはコチラ kanemakiya-mizukian.com
撮影/朝妻一洋・小池エリ(クリエイティブ コム)