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佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】


佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】

発酵のまち・沼垂のブルワリー

 

新潟市の沼垂エリアは、江戸時代は新発田藩(現在の新発田市)が治めており、新発田のゆたかな穀倉地帯から新潟・沼垂湊に米が運ばれていました。そして時代も明治に変わり人口増加ととともに、味噌や醤油、酒づくりが盛んに行われました。そんな発酵のまちに、「まちなかのマイクロブルワリー」がオープンしました。2016年、沼垂ビールの誕生です。

 

佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】
佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】

お茶フェスとのコラボが誕生のきっかけ

 

2019年11月開催の「第3回新潟お茶フェスティバル」に向けて、お茶フェス実行委員会では「目玉となるお茶系のアルコール」を模索していました。ちょうど委員会メンバーの勤務先が沼垂ビールと取引があり、打診してもらうと「いいですよ!」と即答。委員会としては、感謝しきれないほどありがたく、うれしいことでした。

 

佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】

佐渡番茶の香りとすっきりした口当たり

 

打ち合わせの中で「番茶の方がビールに合う」とアドバイスをいただき、委員会サイドは佐渡番茶を提案しました。まったくのゼロからの開発で、ホップや麦芽の選定、佐渡番茶の抽出方法など試行錯誤をされたことでしょう。そのご苦労から生まれたおいしさは、お茶フェスで証明されました。2日分が1日で完売し、急きょ補充するまでになったのです!

 

佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】
佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】

そして、いまや大人気商品に

 

今年に入り、沼垂ビールでは本格的に商品化。瓶詰めの『佐渡番茶エール』は発売と同時に完売となり、社長の高野さんも「まさか、これほどまでは」と驚きをかくせません。ラベルにもこだわりました。高野さんが佐渡と沼垂に思いをはせた文章が入り、どうしても使いたかったという金色が輝いています。

 

佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】

ビールで佐渡番茶の復興を応援

 

佐渡番茶は、江戸時代にも生産が確認されているほど歴史のあるお茶です。ふつうは八十八夜に一番茶を摘みますが、佐渡では米作との兼業がほとんどで、その時期は田植えで忙しい。ひと段落してから葉の付いた茎を収穫して番茶にします。そのため、通常の番茶と比べて甘みと香りが強いといわれています。

 

佐渡番茶【佐渡市】
「佐渡番茶エール」に使用されている佐渡市立野地区の茶畑

沼垂と佐渡をつなぐふたりの善松さん

 

江戸時代後期、沼垂に橋本善松という人物がいました。熱心な仏教の信者が佐渡の寺院でも参拝できるように、荒れる日本海で、船止めで佐渡に行けない信者のための無料宿泊所を設けるなどの整備に尽力しました。沼垂ビール社長の高野さんも名前が善松さん。150年もの時を超えて、ふたりの善松さんが沼垂と佐渡の結びつきに関係しています

 

佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】

 

撮影/朝妻一洋・小池エリ(クリエイティブ コム)

DATA

佐渡番茶エール/沼垂ビール株式会社【新潟市】

 

所在地/新潟市中央区沼垂東2-9-5

営業時間/火~金:17:00~21:00、土:13:00~21:00、日:11:30~17:00 月曜定休

電話/025-383-8980

HP/nuttaribeer.co.jp

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